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GB LECTURE

まずは窓を考える

通常、窓サッシを含む開口部は一般的な住宅の外部表面積の10~15%程度を占めますが、国交省が定める次世代省エネルギー基準(Q=2.7)に適合しペアガラスの窓サッシを採用した住宅でも窓から逃げる熱量は家全体のおよそ40%を占めると言われています。単板ガラスのアルミサッシではそれ以上の熱量ロスとなります。
それだけ窓はエネルギー(熱量)ロスが大きい部分なのですが、まだ多くの人は窓サッシを考えた場合、あまりエネルギーロスのことまでは気にされていないかもしれません。

窓熱損失グラフ.jpg※出典:パッシブハウスジャパン様セミナー資料より抜粋

しかし、これからより健康で快適な住空間を作ろうとした時、結露だけを気にするのではなく窓からのエネルギーロスについてもよく考えておく必要があると思います。窓からのロスが大きければ大きいほど温度差が大きいムラのある居室空間になってしまい、快適性だけではなく健康を害してしまう空間になる可能性があるからです。さらにはロスした分の室内温度を、冷暖房機器を使って補完することになるので、あまり効率のよいエネルギー消費とは言えないと思います。

建物の外皮(外壁、屋根、床など)の断熱性・気密性が一定の基準を満たしていることが前提となりますが、もし性能が高くエネルギーロスの少ない窓を採用されていれば、住宅内の温度は適度に一定に保たれ、温度差による体への負担が少ない快適な生活空間の構築が期待できます。

窓の断熱性能を判断するための指標となる値が熱貫流率U値(W/㎡K)です。この数値が低ければ低いほど熱が伝達し難くエネルギーロスが小さい窓ということになります。

窓熱貫流率表.jpg

一般的な単板ガラスのU値は6.0 W/㎡K前後で、一般的なペアガラスになると3.0 W/㎡K前後、高断熱ペアガラスの窓サッシでは2.0 W/㎡K以下になります。ちなみに、省エネ先進国のドイツやオーストリアをはじめとするヨーロッパでは、0.9~0.8W/㎡Kのトリプルサッシが主流になりつつあります。日本と欧州は違うと思われている方もいらっしゃると思いますが、それでももっと窓サッシから省エネについて関心を持っても良いのではないでしょうか。


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